「ポケットがある」

今から35年も前、ラジオに聞き入ったころがある。TBSラジオ「小島一慶のパックインミュージック」その中で、一慶さんが毎週絵本を紹介するコーナーがあった。リスナーからの情報で、渋谷に「童話屋」というお店ができました。一慶さん、ぜひ行ってみてください。というのがあった。私も住所をたよりに「童話屋」を探し当ててドアをあけた。小さな童話やさん。ちっちゃなこどもが座り込んで読んでいた。何度か通ううちに店長さんとも顔見知りになりいろんな絵本を紹介してもらった。山形に帰って来てからも、お勧めの本を送ってもらったこともあった。児童書だけでは商売にならなかったのか今はもうその「童話屋」さんはない。「ポケットがある」とてもやさしい絵本だった。「やさしくつつんでくれるポケット、それをそっとあたためている手・・・だから ぼく あたたかい さびしくない・・・」・・・絵本作家としての、絵本作りの私の原点の絵本です。