まだ変わらぬもの

去年の6月、芝居の打ち上げのとき、何を思ったのか、私と乾杯をし「これで友達になった」と言ってくれた人がいる。俳優の宇梶剛士さんだ。その宇梶さんが紹介してくれた本「3,11を心に刻んで2013」が届いた。著名人のそれぞれの視点で「3.11」を振り返り、その後の自分のむき方を示している。2年前の3月、ガソリンスタンドの大行列に並んだこと、仙台に住む姉のために家庭用品を買いに行ったことなど、、。そして今、福島原発の母子避難の子ども達との生活を送る毎日。1年前の今ごろ、そんな1年後が訪れようとは思ってもみなかった。福島市内の公園の隅には、除染のために取り除かれた土が山積みされているという。それでも福島に住み続ける人、まだ帰れないという人、そんな現実の中で、ただ子ども達を抱きしめている日々である。