舞台「土に叫ぶ人」

宮沢賢治の教えに殉じた松田甚次郎の生涯と甚次郎の夢を陰で支えた妻睦子を描いた舞台。まずは会場となった大石田「なないろホール」が素晴らしかった。演劇ホールとしての機能が充実。舞台を取り囲む2階席と合わせて舞台が身近に感じられる。ステージも奥行きがあり様々な芝居に対応できる。開場とともにまずはロビーコンサートでお出迎え。あったか気持ちで本番を迎える。それぞれ役者人の佇まいが素晴らしい。表情、台詞のテンポ、間が役を演じ切る。劇団ではない役者人が甚次郎と睦子をそれぞれの立場で支える。時折アングラ的な演出も光った。2時間半と言う時間は雪景色のなかであったか穏やかな時間になった。終演後のロビーはスタッフキャストとお客様の笑顔がこぼれる素敵な光景となった。